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バイク 1人で起こせるか問題

阿部真由美
2020.08.02

こんにちは、阿部真由美です。

自動車学校への入校前、入校後、卒業して免許取得後の公道で…と、バイク乗りの間で何かと話題に上る「一人で起こせるのか問題」。

誰かに手伝ってもらって起こせばいい!という方もおられますしそれは方法の一つではありますが、やはり自分のマシンを一人で起こせるというのは安心できる要素に確実になります。

そこで、今回はバイクの引き起こしについて私なりのコツを語ってみようと思います(o^^o)

倒れているバイク

今でこそ300kg近くある愛車でもきちんと一人で引き起こせる私ですが、二輪指導員を目指して練習を始めた当時はおよそ200kgの教習車も起こせませんでした。

何度やってもビクともしない。まっすぐに起こすどころか地面から車体が浮いてすらくれない。

エンジンガードもついていて比較的引き起こしがしやすいと言われている教習車なのに…「俺は寝ていたいんだ」という断固たる決意を感じさせられました。

 

先輩指導員に見てもらったり色々調べてみたりもしましたが、何度やっても「車体がたまに地面から少し浮くことがある」程度でした。もはや起こせる気がしない…

ですがそこで諦めるわけにはいきません。やみくもにバイクに向かっていっても体力を消耗するだけだと思い、一旦触るのをやめて体の使い方を考えてみる時間をとりました。

 

まず、引き起こし練習後に自分の中で一番疲労が溜まっている筋肉はどこか。答えは明らかに「腕」でした。

連日の引き起こし練習で全身筋肉痛ではありましたが、とにかく両腕・肩付近が痛い!…ということは、私は腕で起こそうとしているということです。

冷静に考えて、200kgを私が腕で起こそうとしても無理だなと気がつきました。

 

ではどこを使えばいいのかが問題です。

私は全体に体のつくりが小さめに成長してしまったため、大柄な男性のように筋力勝負でパワープレイに走ることができません。

なので自分の中でどこが一番大きくパワーがある筋肉かを調べることから始めました。

細い腕の筋肉ではなく、もっと大きく太い筋肉を使えばきっと起こせるはずだと考えたのです。

結果、「大腿四頭筋」つまり太ももの筋肉が一番大きいのだとわかり、それまでの腕頼みのやり方をやめて脚を意識して使う方法に変えました。

 

また、腕ではなく脚を使うことにしたことで力をかける方向も変わりました。

それまでは真上方向に腕で引き上げようとしていましたが、脚を伸ばす力を使うことで力の方向が斜め方向に変化しました。

 

基本的に倒れたバイクが垂直の状態に戻るときには、タイヤの接地面を中心として車体が弧を描くように動いていくものです。

なので最初の浮き上がりの時だけは真上方向への力で動きますが、そのまま真上に力をかけ続けた場合は垂直状態まで起こすのに相当大きな力が必要とされます。

できるだけ少ない力で効率的に起こせるようにと考えないと女性には相当しんどい話です。

 

それを踏まえて、実際に引き起こしをする際のフォームの一つについてご紹介します。

まず片手で倒れたバイクの地面に近い側のハンドルを持ち、もう片方の手で車体後方のバー(教習車の場合は画像の赤丸部分)を握ります。

車体後方のバー

陸上のクラウチングスタートをものすごく前傾にしたような感じで車体に上半身を思い切り預けて膝にある程度の角度ができるよう下半身を後方にずらしておき、車体を斜めに押し上げます。

腕は持ち上げるために使うのではなく、バイクが体の動きについてくるように引っ掛けておくロープのようなイメージです。力はん。入れませ

バイクが浮いたらすかさず前に一歩踏み出し、そこからは膝を伸ばす力を意識しながらバイクを支えつつ下半身全体で車体を押します。

同時に上半身を起こしてしまうと力が分散するので、そのまま前傾姿勢をキープして起こしていきます。

車体を斜めに押し上げ

両方のハンドルグリップを持って腰を当てて起こす方法、下側のグリップを両手で持ってお尻で押す方法など、これ以外にも引き起こしの方法は色々あります。その中から、現場の状況に応じて最も適切な方法を選ぶことも大切です。万が一転倒しても自力で引き起こせるという自信が、ツーリング時の余裕と安全につながります☺️

 

引き起こしは筋力勝負ではありません。体重39kgの私でも300kg近くある愛車を起こせるんですから。

もちろんバイクの形によっても起こしやすさは変わりますし、「なんでも起こせます」なんて言えません。

でも、教習車程度なら…大人なら性別問わず恐らくほとんどの方が引き起こせます。

 

「起こせないかも…だから免許取れない」。

そんなことはありません。

恐れずトライしてみてください!